こんにちは、舘林です。
電動歯ブラシや歯磨き粉の宣伝で「プラーク」なる言葉を耳にした方は多いと思います。
一方、血管の中にも「プラーク」があることをご存じの方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
口の中の「プラーク」は「歯垢」のことで、これは水分と細菌を主体とする有機物が絡みあったもので、虫歯や歯周病の原因になります。
これが硬くなると名称が「歯石」に変わります。
血管のそれは「粥腫(じゅくしゅ)」を指し、コレステロールを大量に含んだ脂質の塊で、血管の内側の膜に蓄積し隆起しています。
血栓を作りやすい状態にあるため、心筋梗塞・脳梗塞などを引き起こすことがあります。
どちらも呼び名は「プラーク」ですが、歯垢と粥腫はこのように別物です。
ですので、一生懸命歯ブラシをしても血管内のプラークを無くすことはできないように、血栓予防薬(バイアスピリンなど)を飲んでも、歯周病菌が減ることはありません。
そもそも「プラーク」とは「隆起性病片」という程度の意味。
誤解を招ねかないように歯垢は「デンタルプラーク」、粥腫は「アテローム性プラーク」と表現するほうがいいかと思うのですが、どちらも冗長ですね。
ちなみに粥腫も歯垢と一緒で固くなります(これは歯石とは言いません)。
そんな時は、上の絵にあるような先端にダイヤモンドをちりばめた高速回転ドリルでガリガリ削るのですが、ここらあたりはなんか歯科治療に似ていますね。