こんにちは、舘林です。
三年前にインプラント手術の鎮静を担当した、ある患者様。
手術終了後、麻酔薬が原因と考えられる気分不快感にみまわれ、長時間にわたってベッドでお休みいただきました。
ご家族も心配して医院に駆けつけられました。
万一に備え、ご自宅近くの救急科を併設する総合病院宛の紹介状をお渡しして、お帰りいただきました。
幸い、翌日にはお元気になられましたが、私としては大きな課題を残す結果となり、本来心理的な不快感を取り除く目的の鎮静が、身体的不快感を惹起してしまったのでは全く話しになりません。
その日を機に、自身の麻酔方法を一から見直すことに致しました。
薬の組み合わせ、量、投与のタイミングの見直しなど、これまで信じて疑わなかったものを一旦白紙に戻し、地道に取り組んだ結果、ここ一年ほどは鎮静後に難しい問題に直面することは無かったように思います。
さてこの度、件の患者様にインプラント治療のご提案をすることになりました。
三年前のことがトラウマとなって、手術自体よりも鎮静のほうが怖くて二の足を踏んでいるご様子…。
さりとて素の状態では耐えられないということで、十分に検討して慎重に鎮静を行う旨を説明し(前の様な状態に絶対ならない、とは言えないことも付け足して)ご了承いただきました。
この方の鎮静を機に自分の手技を改め、そしてこの方にそれをお返しするというのは、またとない貴重な機会です
さて、その結果たるやいかに…。
「どうもありがとう。今回は楽でした。」と言って、ニコニコお帰りになられました。
三年間の研鑚のおかげかどうかは別として、汚名は返上できたようです。
とても嬉しいことです。
引き続きスキルアップを図っていきたいと思います。