Quintessence DENTAL implantology 別冊
3rdミーティング抄録集から 編 岡田隆夫
意志決定のためのインプラント
コーディネーターの役割 佐藤久美子
はじめに
「インプラント治療を行うにあたり、担当医師は基本データーの収集、問題点のリストアップ、その解決方法と立案、治療計画などの患者説明、特にインプラント治療の場合には、手術の予定部位の骨質、骨量に関する三次元的検査、患者固有の疾病の把握、上部構造の材質や設計の選択、咀嚼様式等、ほかにもさまざまな項目をチェックしなければならず、膨大な時間と労力が要求される。これらすべてを主治医がコントロールすることは非効率的であるため、当医院ではインプラントコーディネーターに役割を分割し、それを明確化することで担当医師にとっては精神的ゆとりとともに文献の閲覧など、有効に使える時間が増加する。」
終わりに
「コーディネーションを行う場合、信念をもって正直に誠実に患者さんに説明をするが、それをうけいれるかどうかは患者さんが決めることである。もし、放置した場合、症状は最悪の結果を引き起こすことも十分に話しておかなければならない。
コーディネーターは知的、優しさ、豊かさ、包容力、笑顔、冷静さを兼ね備えていることはもちろん、患者さんに対して腹が立ったりしてもその不快感情に振り回されてはならない。
そして、患者さんがどのような行動をとっても、それによって否定的な対応をすることなく、患者さんの存在、人格を尊重するべきである。
相手の立場から物事を感じたり、考えたりできる能力を身につける必要がある。」と書いてある。
インプラント治療をするうえで、患者さんとのコミュニケーションのとり方によって、非常にうまくいく治療と、そうでない場合にわかれる。
コミュニケーションをもつには、歯科医師と患者さんの間にたてる立場の方の存在が必要な時代に入ってきたと思う。