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呼び方今昔

歯齦こんにちは、舘林です。

突然ですが、皆さん「歯齦」という言葉をご存知ですか?
「しぎん」と読みますが、じつは歯肉(しにく)・はぐきの事です。

20年以上前、私が歯科大生だった頃、歯肉ではなく歯齦と教わりました。
解剖のテストで歯肉と書くと、不正解とされました。
古い学校で、旧体制から脱却できなかったからでは、と大げさに当時を自己分析しています。

他にはこんなのもありました。
エナメル質といえば歯の表層の一番硬いところであるヤツですが、琺瑯質(ほうろうしつ)と呼ぶように教育されました。
琺瑯といえばホーロー鍋を連想しますが、今の若い人でホーロー鍋さえ知る人は少ないのではないでしょうか…。

それからセメント質は白亜質(はくあしつ)。
白亜とは炭酸カルシウムを指すらしいのですが、捏ねる前のセメントに似ているから?なのか、由来はわかりません。


自分で書いたこの文を読み返すと、例えは悪いですが、戦時中みたいです。

今でもこんなふうに教えているのでしょうか?
当院研修医の山崎先生に聞いたところ「そんなもの知らない」とニベもないお返事。

呼び名は時と共にうつろいゆくもの…。
今日はオールドタイマーな歯科用語のご紹介でした。

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