こんにちは、舘林です。
「お薬の副作用で、実際に歯のかみ合わせがずれてしまうことがあります」。
この様におっしゃるのは東京医科歯科大学歯科心身医学教授の豊福 明先生。
なぜこのようなことが起きるのか?
特に抗うつ薬などの精神科系の薬には「錐体外路症状」という副作用が多くあります。
例えば腕を曲げる時に、上腕二頭筋は収縮する(これは錐体路の仕事)一方で、上腕三頭筋は意識すること無く弛緩しますが、こういった無意識での筋肉の活動を取り仕切るのが錐体外路の役目です。
この錐体外路が障害されることで出てくるのが「錐体外路症状」で、多彩な症状を呈しますが、筋肉が過度に緊張する場合があります。
これが口の開け閉めに関わる筋肉に発現すると、かみ合わせがずれる、というわけです。
インプラント手術の全身管理をしている立場上、インプラント患者さんについてのみですが、抗うつ薬などを服用なさっている方は結構いらしています。
調べてみると錐体外路症状を副作用とする薬は何も精神科系のものばかりではなく、胃潰瘍治療薬や吐き気止め、頻尿治療薬、降圧剤などでも見られるようです。
原因不明の口の不具合にはこうしたことが関係しているかもしれませんので、主治医には余すところなく服薬内容をお伝え下さい。
もちろん自主的な服薬中止は絶対いけませんので、ご注意を!