こんにちは、舘林です。
『がんや難病の子どもたちが治療を受けつつ学べ、遊べる日本初の「こどもホスピス病院」が大阪市東淀川区の淀川キリスト教病院に開設された。在宅治療の子供も一時的に預かり、家族全員の心を休める場を目指す。』 との記事を先日目にしました。
ホスピスとは終末期ケアを行う施設のことですが、子供に特化した施設を実現出来たのは、我国のホスピスの草分けである淀川キリスト病院だからこそ!さすがです。
私も医大勤務時代はがんの終末期医療に携わっていましたが、ご本人・ご家族の身体と精神の安寧を保って、あちらへ旅立たせるのはとても難しく、亡くなった後になって「こんな事やあんな事もしてあげられたのでは…」といつも後悔しきりでした。
小児がんの終末期医療ではありませんが、救命救急科研修の際、交通事故でICUに運び込まれ、5日間頑張った4歳の子供の臨終に立ち会ったことがありました。
慟哭とともにしぼり出すようにその子の名前を呼び続けるお母さんの姿は、十余年を経た今も目に焼き付いています。
老若を問わず人の命は等価なはずなのに子供の死となると、ことのほか重く受け止められるのは何故でしょうか。
こんな言葉があります。
親の死はあなたの過去の喪失
配偶者の死はあなたの現在の喪失
子供の死はあなたの未来の喪失
子供の死がもたらす影響の大きさが端的に表現されていると感じますし、同時にこどもホスピスの必要性というものを改めて考えさせられます。
一方で児童虐待の報道が絶えない厭な世の中ですが、どうかこのような施設が日本各地に広がってゆくことを願ってやみません。